深山カタバミ編☆ミヤマカタバミの花は、3月から4月の早春に咲く。 ブナの葉が展開する前からの開花であり、谷沿いには残雪がある状況での 開花は、動き始めた昆虫にとっては貴重な蜜源である。花の直径は3~4cmで、 白色から淡紅紫色。中心部はわずかに黄色を帯びる。 花色は純白あるいは淡紅色で1.5cmほどの花を1個つける。 葉はハート型(倒心形)で先の部分が中脈に向かって凹んでいる。 (これを学問的には「凹頭」と称する。)雄しべと雌しべを取り巻くように 花弁の中心部に黄色い模様があり, コミヤマカタバミの特徴の1つになっている。 ☆ミヤマカタバミの根茎は葉柄の基部が枯れずにそのまま残っているので、 鎖のようなイメージがある。 地中あるいは地表を這っており、枝分かれしない。 枝分かれしないということは、栄養繁殖では個体数が増えず、 種子のみで個体数を増やすのであろうか。 小葉の幅は2.5~4cm。葉の表面にはほとんど毛がないが、 時として周辺に毛が散生するし、縁には毛がある。 裏面には毛が多い。夕方には葉を閉じて眠ってしまう。 就眠運動のちょうつがいなのか、 小葉の付け根にはそれらしい構造があるように見える。 ☆ミヤマカタバミは東北地方南部から中国地方・四国、中区・ ヒマラヤに分布する多年草。暖温帯上部から冷温帯の落葉広葉樹林や スギ植林地などの林床に生育する。 地下茎から長い葉柄を出し、ハート形の小葉を3枚つける。 花は葉の展開とほぼ同時に、3月から4月に咲く。 樹木の葉が展開する前に花を咲かせようというつもりらしい。 花茎の先端に1つ咲く花は清楚で直径3~4cm。 花を付けている株は少なく、さらに十分に開いた花には なかなかお目にかかれない。 晴天であっても日光が当たっていないと開かず、 夕方には花を閉じてしまう。花の中心部には 根元から5つに分かれた花柱があり、周辺には10本の白色の雄しべがある。 ミヤマカタバミに似ているが、全体に繊細な感じで、 やや標高の高いところに生える。小葉の角はあまり角張らず、 花期の越冬葉は小さく目立たない。決め手になるのは、 根茎で細長く延び、古い葉柄の基部が密集することはない。 亜種のヒョウノセンカタバミが、日本海側に知られている。 「亜種」について 「抜粋」 分類学上の用語で、同一種に属する地理的品種をさし、 相互の間の形態的差異がはっきりしたものをいう。 分布の広い種や移動能力の小さい種では、しばしば地域的に大きさ 、形、色彩などに一定の違いがみられ、これが亜種である。 国際命名規約上では亜種は最低の段階で、 それより下の変種、型などは規約から除外されている。 小深山の葉っぱ 深山の葉っぱ ジャンル別一覧
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